キリスト教団体の戦闘機献納

先日、山本澄子の『中国キリスト教史研究 増補改訂版』を読んでいる時にこのような記述を見つけた。

更に、全国の教会およびキリスト教団体が「基督教三自*1革新号」と名付ける戦闘機を献納するために募金した。*2

上の記述は、1950年の朝鮮戦争の際の中国のキリスト教団体についてのものだが、私には1943年から1944年にかけての日本基督教団の軍用機献納運動を思い出させた。結果から述べると、日本基督教団から海軍には「報國-3338(第一日本基督教團號)」と「報國-3338(第二日本基督教團號)」が、陸軍には「愛国第三三三一(日本基督教團第一)」と「愛国第三三三二(日本基督教團第二)」の計4機が献納された。また、金城女子専門学校は日本基督教団の要請を受けて海軍に10万円(1機分に相当し、機体には「報國-2629(金城女専號)」と命名された)と陸軍に3万円を献納したという。

別に献納するものは必ずしも戦闘機でなくても構わないように思えるが、やはり航空機は宣伝飛行も可能であり、献納の成果も形として分かりやすいという点で他の兵器より優れているのかもしれない。


参考文献:
日本基督教団宣教研究所教団資料編纂室(1998)『日本基督教団史資料集 第2巻-第2編 戦時下の日本基督教団 (1941〜1945)』 日本基督教団出版部
山本澄子(2006)『中国キリスト教史研究 増補改訂版』山川出版社

*1:三自とは「自治自養自伝」の略である。

*2:p.175から引用