いま、香港でキャンプをする:貝澳營地(Pui O Campsite)

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なぜキャンプをしたのか。

私はここ最近香港に住んでいる。私の住んでいる街の情勢は日々変わり行くもので、日々学業に励んでいた私もついに半ニート状態になってしまった。大学図書館も空いておらず、まさに八方塞がりである。やることと言えば、下宿でアクセス権のないジャーナルをデータベースで読めないことにイラつくことくらいだ。

www.hku.hk

要は暇になったのだ。そして、私が暇になったタイミングで、私と同じく暇そう(に私には思えた)なフォロワーの方(以後N氏と呼ぶ)からキャンプに誘われた。私はこれをtear gas放題の街を離れて、リラックスする良い機会と思い快諾した。しかし、キャンプの道具など持っていない。

どう準備をしたのか。

N氏は、旺角や將軍澳に店舗があるDecathlonというスポーツ用品店を紹介してくれた。そして、その足でN氏と件のDecathlonに行ったのだが、何もかもが安い。もちろん価格はピンキリなのだが、寝袋は99HKD、テントは299HKDから購入できた。とりあえず、寝袋、テント、キャンプ用の食器類などさえDecathlonで揃えれば、あとは一般家庭にあるもので準備は足りるだろう。要はDecathlonとその辺の超市に行けばキャンプ道具はすべて揃うと行っても過言ではない。キャンプに何を持っていけば良いのかは、他に紹介しているウェブサイトがあるので、そちらを参照してほしい。

Decathlonはステマとかではなく、普通にオススメできる。ただ、こういう記事を読むであろう駐在員の方々は海外手当を使ってもうちょっと高級なものを買いそうなのだが。

www.decathlon.com.hk

そして、テントなどをN氏と共同購入してからたった3日後には実際にキャンプに行ってしまった。海外在住ニート特有の行動力の早さである(適当)。

貝澳營地とは。

我々が行くことにした貝澳營地(Pui O Campsite)は大嶼島(Lantau island)の南部にある康樂及文化事務署(Leisure and Cultural Services Department)の管理下にあるキャンプ場である。一番の特徴としてはビーチに隣接しており、キャンプ場自体も砂地の上に存在している点が挙げられるだろう。適当に"Hong Kong camping sites"とでも検索すると、どのサイトでも大抵オススメされているキャンプ場である。交通の便もほどほどによく、なおかつ店も周辺にある程度あって、そしてしっかり田舎っぽかったのが我々が貝澳を選んだ理由である。ということでキャンプに早速行った。

貝澳へのアクセスだが、車を持っていない場合、おそらく中環(Central)からフェリーに乗って大嶼島南部の梅窩(Mui Wo)に向かい、そこからバスに乗って行く方法が一番簡単であろう。我々も当然、 公共交通手段だけを用いて向かった。中環からの所要時間は1時間弱といったところか。

ちなみに、バーベキューで使用する炭は近隣に複数存在する士多で購入することができる。食材も同様であるが、選択肢は限られる。士多ではテントを含め、大抵の物を揃えられるので、最悪手ぶらで来てもキャンプできるかもしれない。

貝澳で何をするのか。

貝澳ではキャンプ自体を楽しんだのは当然だが、それ以外にもバーベキュー・水泳・潮干狩り・散歩なども十分に堪能した。

貝澳營地では、鉄製の柵で囲まれた数メートル四方のブースが砂浜の上にそれぞれに割り当てられており、そこにテントを設営できる。それぞれスペースは十分に広い上に、しっかりと整備されていて、それぞれテーブルとベンチも準備されている。もちろん、海はすぐ目の前だ。

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早朝の我々の野営地。柵に干してある私とN氏の海パンは流石に生々しすぎるので、画像を編集して隠した。ちなみに早朝になると海に近いからか朝露がすごく、前日から干していた海パンはすっかり湿ってしまっていた。

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ビーチ側から眺めると、数十か所のブースがずらりと並んでいるのがわかる。

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カメラメーカーのパンフレットに載ってそうな感じの夕焼けを臨む。

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ビーチの背後には、雄大な山々がそびえる。これなんてエロゲ?まあ、実際にはオタク二人が海辺ではしゃいでいるだけだが......

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日が昇る前のビーチは静寂が支配する。

ちなみに夜間は若干星を見ることができる。市區ではあまりにも見えなさすぎるだけかもしれないが。

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ビーチの端には天后宮もある。屋内に設置された鐘には嘉慶4年(1799年)とあった。

これらが徒歩0分で堪能できる。ショバ代なしで。これだけで、十分行く理由になる。しかもだ、上の写真でお気づきだと思うが、貝澳には野生の水牛がいる。

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ビーチのすぐ裏でただ自由に、草を食べる野生の水牛。全ての人類はこれらの水牛に敗北していると言っても過言でもないだろう。 俺も全てから解放されて自由になりてえ。

ただ、人類にはバーベキューがある。水牛にはない。我々もスーパーで大量の肉類を購入し、キャンプ場内のかなり整備されたバーベキュー場で肉を焼いては無限に食べていた。

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はい勝ち〜〜〜〜〜

写真内に細長い二片の肉があるが、これは自家製の叉燒である。朝のうちに豚バラ肉と叉燒醬を超市で購入し、半日程度漬けておくことで自作の叉燒を急遽錬成することに成功した。

あと、ひたすら成人済みの海パン一丁の男性二人が素手で砂浜を掘り漁るという微妙すぎるビューを周囲に見せ付けながら、やっとの思い出いくつか採取した貝も蒸し焼きにして食べたが、案外いけた。ちなみに潮干狩りの途中でちびっ子に案内されて味が"disguising"であるという牡蠣が取れる汽水域に連れて行ってもらったりもした。ちびっ子は潮干狩りがかなり上手で、実学の重要さを私の人文学をベースにした脳髄に叩き込まれてしまった。

とにかく、人はバーベキューをすると救われる。

結局何が言いたいのか。

貝澳ははじめてのキャンプには理想的な環境だろう。素晴らしい自然の中に人類のコントロールがある程度働いているので、若干の不自由さを楽しみながらも、かなり快適に過ごすことができる。本当に、貝澳營地は万人にお勧めできるキャンプ場である。

混乱の中にある市區を出て、貝澳でなくてもどこかキャンプに行けば「答え」が待っている。いまこそ、キャンプに行こう。

 

www.lcsd.gov.hk