喫茶店に行く

茶店に行くことがあまりない。

もともとケチ、良く言えば質素倹約を心がけてていることもあって、味が付いた水に数百円も消費しようと思ったことが今までほとんどなかった。喫茶店に関しては、せいぜいコミックマーケット——この記事が公開される頃には今年の夏コミが始まっているだろう——の入場待機列で見知らぬオタクたちの会話に耳を攲てている間に、冷たい雨が降って来たのに耐えきれずに駆け込むベローチェ有明店に行くか、いわゆる「純喫茶」らしい神保町の「さぼうる」に友人と行って生いちごジュースを飲んで邪神ちゃんのマネをする程度の経験しかない。流石に、実際は何回かまともな喫茶店には行った経験があるけれども。

自分は普段コーヒーはほとんど飲まないけれども、しっかりとした喫茶店のコーヒーは美味しいと思うし、セットで一緒に頼むケーキも好きだ。タバコも普段はあまり吸わないけど、周りが吸っていてもあまり気にならない。だから喫茶店が嫌いなわけではないのだけれども、自分の性格やライフスタイル上の複数の要因が重なった結果、喫茶店にほとんど行かないような生活が形成されて来た。

しかし、数日前にふと、喫茶店に行ってみたいと思った。元々何がきっかけだったかは忘れてしまったけど、タバコの「ピース」の鳩が描かれたマークとほぼ同じマークをガラス張りの壁に金色で描いてある喫茶店の「ピース」の存在を思い出したのも、原因の一つだろう。

 

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外観。注意深く見るとガラスに描かれた鳩が見えるだろう。

この喫茶店「ピース」は新宿駅西口を出たところにある新宿西口ハルクの一階の、ロータリーに面した好立地にある。高校生の時から度々前を通りかかっては昭和、もしくは平成前期からほとんど変わっていないであろう姿をみては若干の興味を持ってはいたけれど、今まで足を踏み入れることは全くなかった。周りに喫煙者はいなかったけれども、高校生の時点で喫茶店「ピース」のマークがタバコ「ピース」のマークに酷似していることは知っていて、いつの日かタバコ「ピース」を喫茶店「ピース」で吸ったら面白いだろうな、とは思っていた。

そして先日、暇をしていた友人2人と連れだって喫茶店「ピース」 に向かった。外観は高校生の時から一切変わっておらず、外から遠目に覗くだけだった店内に入ってみると、内装は飾っておらずシックで好感が持てた。客やウェイターも色々な人がいるようだ。もちろん全席喫煙可で、紫煙が漂っている。成人した自分は結局タバコを吸う習慣をあまり持たなかったので、今回はタバコ「ピース」を喫茶店「ピース」で吸うことはなかったが、高校生の時からの「宿題」を終わらせることができたように思えた。

頂いたコーヒーとラズベリーのケーキは美味しかった。割とお手頃な価格だったのも自分にとってはよかった。その内また行きたいと思う。

 

 

◆近況

  • この記事を書いた日(8月8日)に神保町の小宮山書店の裏にある喫茶店神田伯剌西爾」に行った。落ち着いた雰囲気で、美味しいコーヒーとケーキを頂いた。そこではオタクと放送中のアニメ「ヴィンランド・サガ」や国民国家の話をした。