旧満州医科大学(瀋陽)
2018年の11月、なんとなくの思いつきで遼寧省を訪れた。遼寧省では主に瀋陽(旧奉天)と大連に滞在した。この旅行の目的は主に日本統治時代の痕跡を見に行くことで、その中でも瀋陽の中国医科大学キャンパスは旧満州医科大学から継承した建築物がいくつか残っていて印象的であった。
瀋陽では遼寧賓館というホテルに宿泊した。このホテルはかつて、奉天ヤマトホテルとして溥儀を、戦後の「解放」後には毛沢東や周恩来らを接待した格があるホテルだった。
旧奉天ヤマトホテル
ホテルから旧満州医科大学まではだいぶ近く、朝の散歩のついでに様子を見に行った。
現役の旧満洲医科大学付属医院本館はだいぶ大きく、背後には新しいビルが増築されている。もう少し色味を近づけるなどの努力をしようとは思わなかったのだろうか。
一橋大学の兼松講堂を彷彿とさせる。
「中国医大一院」と書かれた煉瓦造りの建物
学内には上の写真のような、特に名前が明らかでないような日本統治時代から残ると思われる建築物が複数あった。
かつての寮だろうか。個人的には一番のお気に入りの建物だ。ただ、手入れは特にされていないようだ。
早朝ということもあってか、郊外に大規模な新しいキャンパスができた大学の旧キャンパスに人影は少なかった。警備員は特に仕事をせずに暇そうにしていたが、そそくさと退散した。